官浪の文房具雑学~名札編~

名札の歴史は浅く、第二次世界大戦時に兵士が軍服に名前や所属などを書いたものを付けたことが起源とされています。戦後には、学校で生徒にプラスチックの名札を着けさせる習慣が広まり、企業でも採用する会社が多くなりました。これまでは25mm×50mm程度のプラスチック板に社名と名前を記載した小型の名札が主流でしたが、名前だけでなく顔写真や所属部署などの情報を入れるケースも多くなり、胸に付けるタイプの他、名刺大の「吊り下げ式名札」や「タッグ式名札」も登場し、身分証明証として最適です。また、近年はICチップが搭載された名札を採用する会社も増えました。ICチップの名札は社員のID情報を組み込み、自社ビルへの入退出管理に使用したり、タイムカード代りや食堂などでの電子マネーなどにも対応できます。イベントなど大量に使用する展示会には、「イベント名札」が利用されています。中に紙を差し込むタイプなので、再利用も可能です。色分けすることにより来場者の識別もしやすくなります。ダイレクトメールの招待状などがすっぽり入るハガキサイズもあります。学校での名札事情としては、かつて多くの小学校では児童に登下校時も名札を着用させていたが、現在では犯罪防止など個人情報保護のため、登下校時に外すよう指導する学校や、名札自体を廃止する学校が増えています。そこで誕生したのが西敬㈱より発売の「キッズターナブル名札」。名札を衣服に装着したまま、ワンタッチで裏返すことができる防犯対策の名札で、ヒット商品となっています。服に穴が開くのを嫌がる子のために、穴を開けずに名札が留められる「開かずピンちゃん」も登場しました。今後、どんな利便性を追求した名札が誕生するのか楽しみですね。

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