官浪の文房具雑学~シャーボ編~

ゼブラから1977年に発売された画期的な多機能ペン「シャーボ」は、「右に回すとシャープペンシル。左に回すとボールペン。1本で2本分」のCMキャッチフレーズで爆発的な人気となり、このCMで4か月間に80万本も売れたという想定外の大ヒット商品といえます。多機能ボールペンの歴史は、1958年にドイツのメーカーであるヴァルドマンが、2色ボールペンを発明・発売したのが起源とされています。その後、その発明をヒントにゼブラから1964年に3色ボールペンが発売されました。その3色ボールペン開発の仕組みを活用した形で、右に回すとシャープペンシル、左に回すとボールペンという回転式の多機能ペンが生まれました。この「シャーボ」というネーミングは、ゼブラによると最初「ジェミックス(双子座)」という案もあったそうですが、正式には決まらず、チームリーダーが提案した「シャーボール」という名前で決まりましたが、広告代理店にその決定を告げたところ、滑舌が悪く「シャーボ」と聞き間違えられ、そのまま「シャーボ」という名前でCMになったという裏話があるそうです。真相はどうでしょうか? 初代のシャーボは2,000円と3,000円というかなり高い価格設定だったのですが、入学や就職のお祝い品としてよく売れました。平成に入って、「シャーボライト」など低価格化を実現し、多くの人が手軽に買えるというシャーボも多数発売され、カジュアルから高級志向までの充実したラインナップを取り揃えていましたが、シャーボ以外の多機能ペンが多数発売されてからは、ラインナップも整理され、2020年時点では、再び1,000円以上の高価格帯モデルのみとなりました。2006年には、ボディとシャープペンシル部とボールペン部をそれぞれ好みのもので組み合わせができる「シャーボX」が誕生し、再び大ヒット商品となっています。また、2020年にシャープ芯が軸後端から入れられる独自の”トップインシャープ機構”を搭載した「シャーボNu」が発売され、話題を集めています。画期的な回転式の多機能ペン「シャーボ」が誕生してから44年、根強いファンが多いです。さらに進化したシャーボに期待しています。

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