官浪の文房具雑学~セロハンテープ編~

セロハン粘着テープの歴史は、1930年アメリカの3M社によって開発されました。当初は自動車の塗装用に使用されていましたが、後にさまざまなものを貼る用具として広まっていきました。戦後、日本に駐留したGHQも事務用にアメリカ製のセロハン粘着テープを使っていましたが、アメリカからの輸入が遅れたために品不足の事態が発生し、ニチバンに打診したところ、1ヶ月後に試作品の製造に成功し、あまりに早かったのでGHQの担当者を驚かせたというエピソードがあります。ニチバンはもともと絆創膏を製造していましたが、戦後アメリカから輸入したセロハンテープを元に開発を行い、1947年に製品化にこぎつけました。その後、改良を繰り返し、名称を「セロテープ®」として販売を開始し、今では家庭や会社で欠かすことができない文房具のひとつになっています。一般的に普及している「セロテープ®」という呼称は、ニチバンの登録商標です。アメリカでは「Scotch Tape®」という言い方が一般的です。セロハンテープは封筒の封貼りや紙などを止めるために使われ、その用途は広範囲に及ぶがセロハンは経年変化により劣化し、長期間の保存に適さないことや剥した跡が残るという難点もあります。一方、1961年、貼ったテープは目立たず、その上に書込みができるスコッチ メンディングテープが3M社からアメリカで発売され、その年に日本での販売も開始し、破れた本や書類の修理などに盛んに使用されるようになりました。メンディングテープはアセテートフィルムという変質・変色しにくい素材が採用されています。オフィスや店頭では書類の修理や紙幣の補修に使われ、包装用途でもセロファンの袋との組み合わせでパン屋をはじめ食料品店などではなくてはならないものとなりました。最近では、ドーナツ型やハート型ケースの商品も登場し、学生を中心に売れ続けています。 p.com

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