官浪の文房具雑学~鉛筆削り編~

鉛筆削り(シャープナー)の歴史は古く、1828年に最初の鉛筆削りが発明されました。その後、1847年に卓上型の機械式鉛筆削りが開発されたそうです。それまではナイフやカミソリなどを使って鉛筆を削っていました。ナイフや小刀で鉛筆を削る作業は、なかなか難しく時間もかかり、手を切るという怪我をすることもありました。日本には、明治時代の末期にアメリカから輸入されたのが始まりとされています。本格的に普及したのは昭和30年代に入ってからで、私たちの少年時代もカミソリで削っていた記憶があります。昭和35年に、当時の浅沼稲次郎社会党委員長が、元愛国党の山口二矢に刺殺されたのをきっかけに、全国で「刃物」を持たない運動が展開され、学童の間からナイフやカミソリが姿を消したといわれています。この頃から鉛筆削り器が一気に普及しました。鉛筆削りを大別すると、手動式と電動式とに分けられる。手動式は鉛筆を削り穴に差し込み、削り刃の部分に押し付けて削る。鉛筆を掴むクリップ部を引いて鉛筆をはさみ、ハンドル部を回すとバネの力で削り刃に押し付けられて削られるという構造になっています。発売当時は手動式でしたが、昭和30年代後半には電動式が誕生し、家電メーカーも参入して、学習机の付属品として電動鉛筆削りが付けられヒットしました。昭和51年には、持ち運びに便利な電池式が登場しました。写真の一番上は、カール事務器が発売していた「カプセル」です。小学生の時に使っていたものですが、ある文具店に保存されていました。写真二番目の鉛筆削りは、同じくカール事務器から発売の「エンゼル5ロイヤル」です。昔のモデルの復刻版として話題を集めています。社会人になるとあまり鉛筆を削るということはないと思いますが、小学生にとっては必需品で、学校にも持っていけるハンディタイプの鉛筆削りが人気を集めています。ソニックから発売の「ラチェッタ」は、左右交互にひねるだけで、軽く削ることができるラチェット式です。また、シヤチハタから発売の「ケズリキャップ」は、ペットボトルに取り付けて使う削り器です。ペットボトルに取り付けることで、削りカスが大量にたまってもOKで、ボトルの広い開口部から簡単に捨てることができ、部屋を汚す心配もなくなり繰り返し使えます。このアイデアで大ヒット商品としてよく売れています。今後、小学生に大人気となるどんな鉛筆削り器が誕生するのでしょうか?

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