第15回 官浪の文具塾~寺西化学工業編~

7月23日(土)JR尼崎駅前のホテル「ホップイン」アミングに
於いて「第15回 官浪の文具塾」を開催しました。
参加者は文房具大好きの12名でした。

今回は、「マジックインキ」でお馴染みの寺西化学工業さん
をゲストにお招きし、開催しました。

今年、尼崎市は市制100周年を迎えましたが、
寺西化学工業さんも今年、創業100周年を迎えられました。

その寺西化学工業さんの「100年の歩み」と魔法のインキと呼ばれた
「マジックインキ」の開発秘話などについて、レクチャーを受けました。

寺西化学工業は、大正5年創業の寺西長一氏によって創業され、
筆記具メーカーとしての記念すべき第一歩を踏み出しました。

何にでも書けて、書いた瞬間にすぐに乾き、水にも流れない
そんな「魔法のインキ」をアメリカ視察した内田洋行の内田憲民氏と
ともに製造開発に乗り出しました。
登録商標は、内田洋行社が取得していますが、内田社長同意のもと、
研究を重ね1953年に日本初となる「?」マークのマジックインキが
誕生しました。

発売当初はほとんど売れなく、使用方法も分からないことから、
1本1本に使用説明書を付けていた、という苦労話も聞かせて
いただきました。

「マジックインキ」の販売に苦心する中、小学校などの教育機関から
模造紙に文字や絵を描くのに便利な筆記具として注目され、
爆発的な人気商品として成長しました。

この時代は、「ボールペン、セロテープ」に加え、マジックインキが
文房具の三種の神器と呼ばれるようにもなりました。

寺西化学工業の「マジックインキ」がロングセラー商品として
君臨できるのは、創業者・寺西長一氏が唱えた社是「以和為貴」にあります。

何事にも独断的に推し進めるのではなく、いさかいを起こさずお互いに
理解し合い進めていくことが最も大事をことであるという教えです。

どんなに厳しい時代であっても、社内ではみんなが協力していい商品を
生み出し、卸店や販売店そしてユーザーの方々に喜んでもらえることが
大切という基本理念が生きていると感じました。

今回の参加者には、100周年の復刻マジック型消しゴムや
100周年付箋紙、メモなど貴重なものがおみやげとして
用意していただきました。

100年の歴史を感じる、素晴らしい文具塾となりました。
また、次回もたくさんの参加をお待ちしています。
次回は10月に開催の予定です。

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