官浪の文房具雑学~消しゴムはんこ編~
消しゴムを彫ってスタンプにするという遊びは、昭和中期頃より子供たちの間で親しまれています。消しゴムは1770年にイギリスの化学者プリーストリーによって天然ゴムに字を消す性質があることが発見されたとされています。その後、文字をキレイに消すことができる塩化ビニール樹脂を原料とした「プラスチック消しゴム」が開発され、1959年に日本のシードゴム工業から「レーダー」が発売されました。現在ではこのプラスチック消しゴムが主流となっています。消しゴムはんこには、このプラスチック消しゴムが使われています。。日本で消しゴムを彫ってスタンプして楽しむ方法を紹介した最初の書籍は、1983年発売の勝又有子さんの「手づくりスタンプ550」です。その後、消しゴム版画作家のナンシー関さんの活躍により、消しゴム版画が世間に注目され始めました。1995年に消しゴムメーカーのヒノデワシが消しゴムはんこ専用消しゴム「はんけしくん」を発売。一般の消しゴムよりちょっと硬めで彫りやすく、時間が経っても軟化しづらいのが特長です。2002年にナンシー関さんが逝去されてから「消しゴム版画」という言葉が知られるようになりました。2006年にはハンドメイドファンの間で、消しゴムはんこがブームとなりました。この年に、シードから「ほるナビ」「ラクほり」が発売されました。「ほるナビ」は彫っていないところと彫ったところがカラーで見分けられるのが特徴です。「ラクほり」は、刃物を使わずに専用ヘラや爪楊枝でラクラク彫れるため、小さなお子様も彫ることができる消しゴムはんこです。2007年から始まったスタンプ専門イベント「スタンプカーニバル」では消しゴムはんこ作家が多数出展し話題を集めました。最近では、テレビ番組「プレバト!!」で「消しゴムはんこの才能査定ランキング」企画が定期的に放送されてから「消しゴムはんこ」に興味を持つ人が増えてきています。皆さんも消しゴムはんこを始めてみませんか?