鉛筆を肥後守で削ってみました!
小学生の頃は鉛筆をよく使っていましたが、大人になると使ったことがない、という方も多いのではないでしょうか? 競馬や競艇の予想で赤鉛筆を使う人は結構多いのかもしれませんが。総務省から国勢調査の用紙が届きましたね。パソコンで提出する方も多いとは思いますが、用紙に記入する場合、鉛筆もしくはシャープペンを使用するようになっています。さて記入しよう、と思って鉛筆を探すが家の中どこを探しても鉛筆もシャープペンもない、など困ったという方もおられました。
さて、小学校低学年の頃は鉛筆削りがまだなくて、ナイフで鉛筆を削っていた記憶があります。それが肥後守だったのかどうかは分かりませんが。鉛筆を最もキレイに削ることができるナイフは何と言っても肥後守です。これは刃の背が弧を描くようにカーブしていて、親指でしっかりと固定できるから素晴らしい切れ味となるのです。肥後守は二つ折りの携帯ナイフで、刃を開いて二つ折り部分にあるチキリという突起をしっかり固定して、鉛筆の木軸に刃を当て、刃を動かすのではなく鉛筆を動かして削ることがポイントです。
久しぶりに鉛筆を削ってみました。久しぶりなので、刃の入れ方や角度の調整が難しかったです。しかし、木軸を削るときの何とも言えない感触、サクサクという音がたまらなく懐かしく嬉しかったです。削り終えてみたら、木軸がボコボコになっていて、少し不格好になりましたが、まあ満足です。
大半の鉛筆の木軸には、北米産のインセンスシダーが使われています。木目が柔らかくて、削りやすく香りがあることから鉛筆木軸の最適な材料として使用されているそうです。ナイフで削るとその感触や音、香りを感じることができます。
昭和35年に起きた浅沼日本社会党委員長刺殺事件により、子どもたちがナイフを持ち歩くことができなくなり、鉛筆削り器が急速に普及しました。電動の鉛筆削り器も登場して便利になりましたが、「鉛筆を削る」ということが少なくなったことは残念です。是非皆さんも一度鉛筆削り体験をしませんか? 三菱鉛筆では、新入社員の入社式で、この体験があるそうです。こんな文化を残していきたいものです。