官浪の文房具雑学~平成文具史 その他文具編~
前号では「平成」の筆記具についての雑学でしたが、その他文具についての「平成文具史」も振り返りましょう。平成初の発明品は、1989年にシードから発売された修正テープ「ケシワード」。それまでの修正は液状のものが主流でしたが、乾きが遅く上から文字が書きづらい、などの難点がありました。修正テープはテープ状なのですぐに書き込めます。今では当たり前になりましたね。またテープのりも、それまでは塗りムラが起きたり、テープが切れにくいものが大半でしたが、2005年コクヨが開発した「ドットライナー」はドット=点で紙に塗布することにより、糊の切れを良くしキレイにのり付けすることが可能になりました。ホッチキスの世界では、2009年にコクヨから発売された針の要らないホッチキス「ハリナックス」は、今までの常識を覆すヒット商品となりました。また2000年頃からスマホやタブレット等が普及し、文具類を携帯し外出先で仕事をするビジネスマンが増えたことにより、ペンケースも注目されました。コクヨから発売の「ネオクリッツ」は携帯に便利な布状の形状ながら机上ではペンスタンドに変身するという優れものです。中高生からビジネスマンまで広く浸透しました。またハサミの世界では、プラスから発売の「フィットカットカーブ」が大ヒット。新開発のベルヌーイカーブ刃の採用で、刃のどの部分で切っても軽く切るのに最適な角度30°を保てることが最大の特徴です。手帳では、発行人が糸井重里の「ほぼ日手帳」。持つ人それぞれが自分の生活やスタイルに合わせて自由にのびのびと使える一日一ページの手帳で、2002年に発売され以後も爆発的に売れ続けています。
また1988年に発売され大ヒットとなったキングジムの「テプラ」をはじめとするデジタル文具ですが、2008年には同じくキングジムから発売のデジタルメモ「ポメラ」はテキスト入力に特化したデバイスでヒットしました。キングジムは2011年には、アナログとデジタルを融合したノート「ショットノート」を発売。デジタル文具の今後の開発が注目されます。