官浪の文房具雑学~ツバメノート編~

小学校時代はノートと言えば「学習帳」ですが、中学生になると「大学ノート」を使用するようになります。この「大学ノート」とは、1884年(明治17年)に東京大学前の松屋という文具店が洋式ノートブックを作成し販売し、大ヒットとなったことから、この名前が付けられたとされています。「大学ノート」の代表格として「ツバメノート」が挙げられます。ツバメノートの前身 渡邉初三郎商店は1936年(昭和11年)に文具卸として創業されました。10年を経て1947年(昭和22年)にノートメーカー「ツバメノート」として生まれ変わりました。当時のキャッチフレーズは『知っている人は、知っている』。戦後の貧しい世の中で、世の人々に上質な紙のノートを届けたい、との創業者の思いで作られたこのノートは、海外からも高い評価を博しています。ツバメノートの最大の特徴は、使われている紙がフルース紙であるということ。フルース紙とは筆記用の書きやすくや滲まない、最高の品質を誇る紙です。特にこのノートは手間をかけて抄いた最高級の「ツバメフルース紙」を使用しています。発売当初は、その紙一枚一枚にツバメのロゴの透かしが入れられていました。また、この紙には蛍光塗料は一切使われていないので、自然な白さで、目が疲れることはありません。それとノートにひかれた罫線にもこだわりがあります。現在のほとんどのノートはオフセット印刷(油性)で罫線が引かれていますが、ツバメノートは水性インクを使った「罫引き」という手法で引かれています。この「罫引」により、インクの滲みがなく、万年筆との相性も抜群です。また、製本も糸綴じなので丈夫です。2012年には「グッドデザイン・ロングライフデザイン賞」を受賞しました。ノートの表の裏に次のように明記されています。「かたくなに本物・良い品の追及をしています。一度使えばその良さ・違いが良く解ります。」皆さんも、最高級品質のツバメフルース紙のノートを使ってみませんか?

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