官浪の文房具雑学~デスクトレー(リヒトラブ)編~
㈱リヒトラブは、1938年(昭和13年)創業者である田中経人氏により「田中経人商会」として創業されました。創業当初にスプリングファイルNo.11を発売し、その後ファイリング用品のトップトップメーカーとして躍進を続けています。写真のデスクトレーも創業間もない時期に発売されたようです。当初はファイバー製で「図面箱」として販売されていました。その後改良され、軽くて丈夫なボール紙の表面に、汚れや水に強いポリプロピレンを中芯にくるむ「くるみ貼り」という製法で製造されるようになりました。デスクトレーは書類を入れたり、筆記具や文房具を整理するケースとして愛用されているロングセラー文房具です。箱とフタの四隅の接続部にはなだらかな角度を付けて、開閉しやすい設計がなされています。長く使っていても汚れや傷が付かず、使い続けることができることがロングセラーの要因です。ファイルをはじめ多くのリヒトラブ製品は、形を変えながらも使い易さ、機能、デザインなどその時代に合った商品を発売されています。リヒトラブ のモットーは『良い品はお徳です』です。田中経人氏は「これは儲かると思って作ったもので成功したものはない。時間は掛かってもお客様が使い易いように創意工夫したものが必ず成功する」と語っておられた。創業者の思いが今も生き続けていることを感じるのが、この「デスクトレー」です。