官浪の文房具雑学~バッグ・クロージャー編~

文房具と言えるかどうか疑問ですが、今回紹介するものは、一般的に「食パンを留めるヤツ」と呼ばれているものです。この食パンなどを留めるプラスチック製の留め具の正式名称は「バッグ・クロージャー」というものです。これを発明したのは、アメリカで包装機械業 クイック・ロック社の創業者であるフロイド・パクストン氏です。1952年にワシントン州のリンゴ生産者事業者からリンゴの袋を簡単に閉じる留め具はないか?との問い合わせから、ポケットナイフとプラスチック破片を使って考案されたようです。この時にアメリカで特許を取得されています。食パン製造で、オーバーラップ包装の形態から、製袋フィルム方式を次第に取り入れることに伴い、製パン業界でも普及していきました。クイック・ロック社の従業員が全自動袋詰め装置を発明し、アメリカの食パン製造メーカーに導入を始めました。その後バッグ・クロージャーの自動結束機を開発して市場が一気に拡大し、世界に広がっていきました。日本でも1970年~1980年代に普及していきました。日本では埼玉県川口市にあるクイック・ロック・ジャパン株式会社が唯一の製造メーカーです。現在は年間30億個も製造されているそうです。日本では立体商標を取得されています。日本では食パンの包装用に約7割使用されています。食パンのほかに、野菜や果物等の包装でも利用されています。イヤホンコードの留め具としても活用することもできます。バッグ・クロージャー以外にもマックス社から発売されている「コニクリップ」という留め具もあります。

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