リレー式(継電磁式)計算機で独走していた樫尾製作所(現:カシオ計算機)。１９６４年(昭和３９年)に早川電機(現:シャープ)がトランジスタを使った、電卓第1号機「ＣＳ－１０Ａ」を発売したことにより、シャープ対カシオの激烈な電卓戦争の火ぶたが切られた。遅れを取ったカシオは、翌年に卓上電卓「００１」を発売し、経営危機から巻き返しを図った。価格は３８万円。その後、価格競争が激化し１９７１年(昭和４６年)に３８，７００円の「ＡＳ－８」を発売。価格の低下と同時にサイズもどんどん小さくなっていきました。カシオの開発者は、庶民のポケットマネーで買える１万円程度で小さくて安いボウリング用の電卓ができないか、との考えが閃いた。ボウリングのスコア計算をするなら、４桁あれば大丈夫だろうと考えたが「実用性を考えればやはり６桁はあった方がよい」との結論に達し、１９７２年(昭和４７年)に個人向け６桁電卓「カシオミニ」を１２，８００円という価格で大々的に発売に至った。「答え一発、カシオミニ」というテレビＣＭも効果的で、一気に電卓が普及していきました。国内の累計販売数は１，０００万台を突破し、大ヒット商品となりました。このカシオミニがヒットしたことにより、「電卓戦争」は更に激化し軽薄短小の争いになり、１９８３年（昭和５８年）には、カシオから世界初の名刺型電卓「ＬＣ－７８」を発売、さらに１９８３年（昭和５８年）に、厚さ０．８ｍｍという極限のカード電卓「ＳＬ－８００」を続けて発売となりました。現在では、１００円ショップでも販売されている電卓ですが、こんな歴史がありました。今年、カシオ電卓６０周年を迎えられました。 おめでとうございます。

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