官浪の文房具雑学~ホッチキス編~
書類を針で綴じる「ホッチキス」は皆さんご存知ですよね。この「ホッチキス」という名前は実は人名ということを知っている人はそんなにいないと思います。19世紀後半に、アメリカのベンジャミン・B・ホッチキスが機関銃の弾丸送出機構をヒントにホッチキスの針送り機構を考案した、という説があり、真相は不明ですが人名であることは確かなようです。日本では昭和10年頃、向野事務機製作所が2号・3号・9号の針を使用したホッチキスを製造したとされています。その製造技術を引き継いだ山田興業(現マックス)が昭和21年に3号ホッチキスの生産を開始し、中型ホッチキスから小型ホッチキスまで製造し、ホッチキストップメーカーとして成長してきました。昭和27年に発売された小型ホッチキス「SYC-10」は「MAX10」「HD10」と名称が変わりましたが、ホッチキスのスタンダードとなり、平成11年には累積販売台数は3億台に達しました。この「ホッチキス」は英語圏や国産の他社では「ステープラ」と呼ばれています。綴じた時の針の形が「メガネ型」になる為、書類を何枚も重ねると厚みが生じ、かさばるという問題点を解消した「フラットクリンチ型」が昭和62年に登場しました。針の裏側が平らに綴じられるため、書類の厚みを少なくすることができる利点があります。また、最近ではコクヨから発売された針なしホッチキス「ハリナックス」は、ヤジリ型の刃と一本線の切れ目が入るような刃が付いていて、ヤジリ型に切られた紙の切れ目に差し込まれることによって綴じるという原理のものです。マックスからも「サクリステッチャー」が発売され、安全・経済的ということで大ヒット商品となっています。