官浪の文房具雑学~コンパス編~
コンパスとは円を描いたり、線分の長さを映すのに用いられる文房具です。小学生の筆入れには必ず入っていると思います。日本の学習指導要領によると小学3年生から扱い始めるとされています。円は「一点からの距離が等しい点の集まり」と定義されていますが、その円の定義を忠実に守って円を描くことができるのがコンパスです。コンパスは単に円を描くだけの道具ではなく、定規と一緒に使うと、角の2等分線、与えられた線分を1辺とする正三角形、与えられた線分の垂直2等分線を作図することができます。コンパスは南蛮人によって日本にもたらされた、と言われていますが、日本では伊能忠敬や間宮林蔵が竹製のコンパスを作り、地図製作に用いたとされています。そして鉄砲鍛冶の和田貞一郎氏がイギリスからその使用法と鋳造法を学び、明治2年(1869年)に日本人として初めて仏蘭西式のコンパスを製作しました。当時、日本では「ぶんまわし」と呼ばれていました。コンパスの語源はオランダ語の「kompas」ですが、これは現代オランダ語では「方位磁針」のことを示しています。文具のコンパスは、「歩幅で測る」の意味で「歩幅」のイメージから文具のコンパスが、そして「測る」のイメージから方位磁針の意味が派生されました。学童用のコンパスにはアタッチメントに鉛筆を取り付けるものと、シャープペンシル型のものもあります。また、両方とも針になっている「ディバイダ」は、円周を等分したり、寸法の転記などの用途に使用されます。教具として、チョークなどを用いて黒板などに使う「教師用コンパス」も学校では使われています。シンプルな構造のコンパスですが、近年は進化型コンパスとして、ソニックから発売の『くるんパス』は「くるん」と回すだけでキレイな円がすぐに描けるとして大ヒット商品になっています。また、ペン型のスマートなコンパス『ペンパス』(レイメイ藤井)も人気があります。 0