官浪の文房具雑学~ボードマーカー編~

学校や事務所などで多く使用されているホワイトボードですが、昔は黒板にチョークで書くというのが主流でした。1967年(昭和42年)に日本で初めてホワイトボードが発売されたことに伴い、ホワイトボード用のマーカーが誕生したとされています。1973年(昭和48年)パイロットから速乾性アルコール性インキのマーカーが発売されました。その後、筆記具メーカー各社からホワイトボードマーカーが相次いで発売されるようになりました。1994年(平成6年)には、ぺんてるからノック式ホワイトボードマーカー「ノックル」が発売されました。現在、ボードマーカーは、ケトン系とアルコール系がありますが、アルコール系が主流です。また、最近は飲食店の店頭用のブラックボードに書くブラックボードマーカーも多数発売されています。このブラックボードマーカーは、水に強く、書いた文字が雨でも流れにくいというのが特徴です。ホワイトボードマーカーは、ホワイトボードに書いた文字が消せるのが特徴ですが、その仕組としては、通常のインクには添加剤として定着剤が入っているのに対し、ホワイトボードマーカーのインクには定着剤の代わりに剥離剤が添加されています。ボードに文字を書くと、溶剤のアルコールは揮発し、着色剤はボード面から浮き上がって、剥離剤だけがボード面に付着している状態で定着します。ボード自体はガラスコートされていてインクが全く染み込まないので、その状態からラーフルで拭くと、剥離剤がボードから離れて、着色剤も取れて文字が消えるという仕組みです。ホワイトボードマーカーには顔料インキが使用されていますので、使用しない時は必ず横置きで保管して下さい。縦置き保管すると、インキの顔料分が下に沈んでしまい、インキの色が薄くなったりペン先の目詰まりを起こします。また、使用後キャップを締め忘れると、アルコール分が揮発して文字がかすれたりする原因になりますので、気をつけて下さい。

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