官浪の文房具雑学~カッティングマット編~

カッティングマットとは、薄い紙などを切断・裁断する時に下に敷いて使う文具で、カッターマットとも呼ばれています。カッターナイフで紙を切断する際に、直接机の上に置いて作業すると机に傷をつけるので、それを防ぐために使用するマットのことです。また机の傷防止だけではなく、カッターナイフの刃先を保護する役目や、滑り止め加工で切りたい紙などを固定してくれるといった利点もあります。面と鉛直方向に動かした刃の切り跡が表面の凹凸として現れにくいという特徴があり、繰り返しカッティングすることができます。その素材は、塩化ビニール樹脂とオレフィン樹脂の2種類あります。オレフィン樹脂は塩化ビニール樹脂よりも少々高価になりますが、強度が高く低温にも強い素材なので、カッターマットには最適といえます。カッティングマットの構造は三層になっていて、硬質塩ビシートを軟質シートでサンドイッチ風に挟み、反りが起こらない構造となっています。この構造は、現在デスクマットのトップメーカーである「㈱ミワックス」の前身 美馬製作所が、1980年(昭和55年)に世界で初めて開発したもので、国際特許を取得されています。現在では他社の製品にもすべてこの構造が用いられているそうです。また、その後には平滑性が向上し、両面を使用することも可能となりました。発売当初は深い緑色が定番でしたが、近頃はカラーバリエーションも豊富になってきています。透明タイプも登場し、下を見本に敷けばそれに沿ってトレースができるなどの実用性に富んでいます。また、出張先や現場などに持ち運んで使用する場合に活躍するのは、二つに折りたためるカッティングマット。広げた時はA3、二つ折りにするとA4サイズというように、半分のサイズに折りたためるので、バッグに入れて携帯し必要な時にパッと広げて使用できるのが魅力的です。目盛り付のカッティングマットは、紙などのサイズを測りながらカットでき、ガイドに沿って真っすぐにカットできます。角度線や円などが印刷されているタイプは、事務用のみならずプラモデルや各種工作、洋裁などの場でも利用されています。カッターメーカーのオルファからは、マットが360°回転して常に楽な姿勢でカッターが使える「回転マット30」が発売されています。パッチワークやペーパークラフトには最適。いろんな場面でカッティングマットは使われていますね。

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