官浪の文房具雑学~コーリン鉛筆編~

コーリン鉛筆の前身である赤木廣八商店は、1916年(大正5年)東京・東神田にて創業しました。鉛筆や色鉛筆を製造し、海外にも多く輸出していたようです。その商品の中に「コーリン」という鉛筆があり、その商品名が社名となったとされています。コーリンという名前は、アイルランド語で”女の子”という意味があるらしいですが、三角形をした女性の横顔のロゴは、特徴的で日本国民に親しまれ続けました。1947年(昭和22年)にコーリン鉛筆を設立。当時、鉛筆の世界において舶来鉛筆は高級品、国産品は粗悪品とされていましたが、1960年代に入って、三菱鉛筆から「Hi-uni」、トンボ鉛筆から「MONO100」といった高品質な鉛筆が発売され、日本の高品質鉛筆が注目されました。コーリン鉛筆もこれに追随して「Hi pierce(ハイピアス)」という高品質な鉛筆を発売し、三菱鉛筆、トンボ鉛筆に次ぐシェアを誇る老舗鉛筆メーカーとして、日本の鉛筆産業を牽引してきました。しかし、1997年(平成9年)に経営不振と、バブル崩壊の市場縮小期に過剰投資を行ったことで、倒産。長年親しまれてきた三角顔ロゴのコーリンブランド鉛筆は、日本鉛筆市場から姿を消しました。しかし当時タイで稼働していたコーリンの生産工場は現地資本が受け継ぎタイ国内市場への供給を試みたが、品質が安定せず売り上げは低迷。2009年(平成21年)東京・墨田の老舗色芯メーカーの技術サポートを受け、タイに色芯生産工場を設立。高品質色芯の供給が開始されるとコーリン色鉛筆の売り上げは急伸し、タイ国内ナンバーワン色鉛筆として親しまれるようになりました。そして、2019年(令和元年)、22年ぶりにコーリン色鉛筆は日本に再上陸し完全復活となりました。コーリン色鉛筆は、発色がよくキメ細かい顔料で柔らかく滑らかに描くことができます。Stationery HONDAにて販売中です。是非実際に手に取ってその素晴らしさをご体感ください。私も愛用しています。

 
 
Pocket