官浪の文房具雑学~ロケット鉛筆編~

懐かしい!と思われる人も多いでしょうね。「ロケット鉛筆」とは、削った芯先だけを軸の中に格納し、使うことによって芯が丸くなるとその芯先を後ろの挿入口から押し込むと新しい芯先が出てくるという、押し出し式の鉛筆です。この鉛筆を発明したのは、台湾人の洪 蠣氏です。1964年に発明権利を取得し、その後その権利を売却し、百能文具公司からBensia「免削鉛筆」として世界に向けて販売が開始されました。削る手間が省ける鉛筆として、この免削鉛筆はヒット商品になりました。日本では、1970年代にコクヨから「テンシル」という名前で発売。その後、各社が追随する形で発売し、一時期大ブームブームとなりました。しかし、中の芯先の一つを紛失すると使えなくなるという難点もありました。そしてシャープペンシルの登場により、次第に衰退していきました。そんなロケット鉛筆ですが、現在はそろばんの検定試験では重宝されています。そろばんの検定試験では検定中に筆箱を開けてはいけないそうで芯の交換ができるロケット鉛筆が使われているようです。そろばん用のロケット鉛筆は、そろばんを扱いながら邪魔にならず使える短いものが販売されています。また、クツワから短い鉛筆を捨てず繰り返し使える鉛筆ホルダー「シンロケット鉛筆」も発売されています。ロケット鉛筆はいつまでも残したい文房具の一つですね。

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