官浪の文房具雑学~接着剤編~
学校教材としての工作用や日曜大工などに使う接着剤として思い浮かべるのは、セメダイン社の「セメダインC」でしょうか。今から90年以上前の大正12年にニカワをベースに「セメダインA」が誕生しました。「セメダイン」とは、結合材の「セメント」と力の単位を表す「ダイン」との合成語といわれています。この「セメダインA」は耐水性と耐熱性に弱点があり、更に改良の研究を重ね、昭和13年に新たな接着剤「セメダインC」の開発に成功し、発売されました。当時の子供たちに模造飛行機ブームが起こっていて、この模造飛行機作りに接着剤として使用され、ブームに乗って飛ぶように売れたそうです。しかし、高度経済成長期から工業用接着剤の需要が伸び、セメダイン社での工作用「セメダインC」の売上に占める割合が激減しましたが、現在も販売を続けています。一方ボンドで有名なコニシの創業は大正14年に西儀助商店として誕生し、合成接着剤の研究が行われました。そして、昭和27年、ついに合成接着剤「ボンド」第一号として製袋用と無線綴製本用が発売されました。その後木工用接着剤の製造にも着手し、ラベルや袋の接着、学校工作用などの販路を広げて、飛躍的に売り上げを伸ばし「ボンドのコニシ」として定着するようになりました。また、瞬間接着剤として有名な「アロンアルファ」は、東亜合成が研究に着手し、昭和38年に工業用アロンアルファの発売を開始しました。昭和46年には「ボンドアロンアルファ」を発売。テレビ番組「日曜大工」でアロンアルファが取り上げられ、一般家庭に驚きの反響がありました。いまだにテレビCMを賑わすヒット商品であり続けています。さらに進化を続けるアロンアルファをはじめ接着剤の今後の動向が楽しみですね。