官浪の文房具雑学~色鉛筆編~

小学校に入学して最初に揃える文房具の中に色鉛筆がありますね。12色や24色などカラフルで持つだけで嬉しかった思い出があります。この色鉛筆は、普通の鉛筆と見た目にも性質も大きく異なります。色鉛筆は消しゴムで消せないし、軸も円形になっています。これらの違いは芯の性質にあります。鉛筆は黒鉛と粘土を練り合わせて焼き固めたもので、硬くて丈夫です。一方の色鉛筆は顔料や染料、タルク、蝋それらを固めるための糊などからできていて、焼き固められていないため、軟らかく強度も弱く、芯も太い。色鉛筆の芯の成分が「油性的」であるために、芯の素材が紙の繊維に入り込むので、消しゴムで剥がし取ることができないのです。色鉛筆はこのようにワックスを含有していることで消しにくいものが多いのですが、近年は技術革新が進み、消しゴムで消しやすいようワックスを使わずに製造する「消せる色鉛筆」が開発されました。鉛筆の形状は六角形ですが、色鉛筆は丸い形状になっているのは、色鉛筆の芯が太くて軟らかく折れやすいから、丸くすることで芯を衝撃から守っているのです。しかし、最近では六角形の色鉛筆も販売されるようになりました。また、色鉛筆の木の軸がなく、全体が芯でできたサクラクレパス「クーピーペンシル」も誕生し、好評のようです。ガラスや金属などにも書ける、太くて軟らかい芯を紙で巻いた色鉛筆「ダーマト鉛筆」が三菱鉛筆から発売されています。そして、1990年代、日本において「絵手紙」がブームとなった時期に、水筆を使って筆跡を滲ませて、水彩画のような仕上がりになる水彩色鉛筆が、ぺんてるや三菱鉛筆から発売され話題となり、各社から発売されています。現在でも、色鉛筆画や水彩色鉛筆画などのブームが続き、色鉛筆や水彩色鉛筆の需要はかなりあります。色鉛筆も24色、36色にとどまらず、100色鉛筆も大人気となっています。フェリシモからは500色鉛筆も発売され話題を集めています。あなたも色鉛筆画にチャレンジしませんか?

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