官浪の文房具雑学~株式会社オート編~

皆さんが何気なく使っておられるボールペンはいつ頃に作られたのか、ご存じですか? ペン先に小さな鋼球を内蔵し、運筆とともに回転することで軸内のインクを滲出させて筆記するボールペンは、ハンガリー人のビーロー・ラースローによって、1943年に開発されました。日本において国内初のボールペンを製造したのは、オート社です。オート社の前身である「中田鳳華堂」は、1919年(大正8年)中田藤三郎氏によって創業されました。 当初は高品質染料やインクを製造していましたが、1949年(昭和24年)世界に先駆けて鉛筆型木軸ボールペンを開発しました。そのことにより、日本のボールペンの基礎をつくり一気にボールペンが普及していきました。1962年(昭和37年)に鉛筆型ノック式ボールペンを考案し、1964年(昭和39年)には世界で初めてとなる水性ボールペンを開発しました。それまでの油性ボールペンの重い書き味を解消し、スラスラと書けるペンとして人気を博しました。のちにはセラミックボールを採用し、ローラーボールとして現在まで世界に普及されています。1968年(昭和43年)に持ちやすいギザギザの「ローレット手法」をペンに採用し、発売となりました。そして、1999年(平成11年) 一般的なペン先だった砲弾型に比べ、鋭い感覚で細かな文字が書け、筆記する際に視野が広がりやすいという利点のある「切削型ニードルチップ」のボールペンが誕生しました。こうして出来上がった新商品ニードルポイントは、現在ではオート社を代表する製品となっています。また筆記具のみならず、1980年(昭和55年)に開発した、穴を開けずに複数枚の書類を簡易的に綴じるための連射式クリップ「ガチャック」は文房具の一般名詞になるほど人気を集めました。株式会社オートのHPには、‟ボールペンの歴史はオートの歴史”そして明日の歴史をつくる!と記されています。これからも躍進を続ける株式会社オートさんの新たな新製品が楽しみです。

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