官浪の文房具雑学~大栗紙工㈱編~

1930年(昭和5年)大栗繁一氏が小型帳簿および紙製品製造で、大栗繁一商店として創業された大栗紙工さん。1963年(昭和38年)二代目大栗三郎氏が帳簿から転換し、ノート製造を開始されました。1965年(昭和40年)大栗紙工株式会社を設立。1971年(昭和51年)に無線綴じ自動製造機を導入し「無線綴じノート」の製造を始めました。その後、大手文具メーカーのOEMを中心に、年間2200万冊のノートを生産されています。1996年(平成8年)大栗康英氏が代表取締役社長に就任され、現在に至っています。大栗社長はOEM製品だけではなく、自社製品の開発にも力を入れ始め、2020年(令和2年)発達障がい当事者からノートに関する困りごとを聞き取り、その声から生まれた「目にやさしい」「識別しやすい罫線」「シンプルなデザイン」のmahoraノートを発売されました。発達障がい者の視点から開発し、発達障がい者が使いやすいようにと考え出されたこのmahoraノートは、グッドデザイン賞や日本文具大賞などを受賞し、障がいを持つ人のみならず多くの方々にも好評を博するノートとなりました。また、箔押しデザインのmahoraノートを1冊買うと、発達障がいを持つ方二人にmahoraノートが届く「ペイ・フォワードmahoraノートプロジェクト」も展開されています。『開け!ノートの未来。』をコンセプトに、「すべての方が使いやすい 世の中の役に立つ みんなが喜ぶノートを作っていきたい」と大栗社長。熱い思いで、今後も自社開発商品を作り続けられることを願っています。

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