官浪の文房具雑学~消しゴム編~
この世に消しゴムが出来るまでは、パンを使っていたといわれています。1770年、イギリスの化学者プリーストリーが天然ゴムで鉛筆の字が消せることを発見し、その2年後の1772年イギリスで世界最初の消しゴムが販売されました。日本では、大正時代に消しゴムメーカーが誕生し、多くの優れた消しゴムを製造されるようになりました。その後、1959年シードゴム工業(現在の㈱シード)より消去性に優れた「プラスチック字消し」を世界で初めて開発し、1968年に現行の売れ筋商品である「Radar」を発売した。また、トンボ鉛筆㈱は、プラスチック消しゴムを最高級鉛筆であるMONO100のおまけに付けたことがきっかけで、「MONO消しゴム」の販売を1969年に開始し、国内で最も多くの人に使われる消しゴムに成長しました。消しゴムは1966年頃から文房具用品として一気に普及し、いろんなメーカーからさまざまな消しゴムが発売されました。コクヨから2003年発売の「カドケシ」は、消しゴムにいくつもの「カド」があり、細かいところを消すのに最適の消しゴムで、ヒット文房具となりました。また、開明からは墨汁の香りのする「墨汁屋さんの消しゴム」を発売、墨の香りで癒されます。その他最近では、トンボ鉛筆から発売のピンポイントで文字を消せるホルダー消しゴム「モノゼロ」やチューインガムのような形状の「モノ スマート」は厚み5.5mmでノートの1行消しには最適です。消しゴムは学生の必需文房具と思われがちですが、ビジネスマンの需要も多く、いろんな場面で使われています。日本字消工業会という組織が消しゴムメーカー社(シード、アミン、ヒノデワシ、ヤジマ、ヤマヤス、ラビット、ぺんてる)で構成され、消しゴムの品質管理や有害物質排除が目的とされています。子供の頃に使っていた動物型などの消しゴムは、消すたびに答案用紙がベリッと破れていた記憶がありますが、プラスチック消しゴムが主流となってからは品質も向上しました。日本字消工業会の規格である消字率80%以上が「消しゴム」と呼ぶことができるそうで、シードの「Radar」は97%と優れた消しゴムといえます。