官浪の文房具雑学~クリップ編~
書類や資料を一時的に綴じて配布したり、保管する時に欠かせないのがクリップです。細長い形の針金で作られたゼムクリップは皆さんのオフィスの机の上や引き出しに必ず入っていると思います。この細長い円形のクリップは、誰が発明したのかは不明ですが、1890年頃にイギリスでゼム・マニュファクチュアリング・カンパニーが発明したと言われています。そのために「ゼムクリップ」という名前で呼ばれています。このクリップというものは、文献には、はるか東ローマ帝国の時代に使用していたということが記されています。
当時真鍮製で皇帝や貴族の間で使用される豪華なものであったようです。クリップはその後も様々な改良が加えられ、多くの種類のクリップが生み出されました。1915年、分厚い書類を綴じ、綴じた後が嵩張らないタイプの「Wクリップ(ダブルクリップ)」が登場しました。そして、1920年には厚いものを綴じるために、バネの力で嘴状の金属で紙を挟む「目玉クリップ」が誕生しました。日本では、クリップからさらに進化した連射式クリップである「ガチャック」をオート㈱が開発しヒット商品になっています。ホッチキス留めに比べ、このガチッャクは書類に傷がつかず、ガチャ玉を繰り返し使えるなどの利点があります。
綴じたい書類の量や用途により、様々なクリップを使い分けると便利です。
<クリップの種類>
①ゼムクリップ 数枚の薄い紙を挟むために用いる針金を曲げて作られたクリップ
②目玉クリップ 金属製でバネ仕掛けになっていて、つまみの部分が中心に穴の空いた目玉のような丸い形をしているクリップ
③ダブルクリップ つまみの部分を折り返すことにより、かさばらないようにすることが可能なクリップ。バインダークリップとも呼ばれています
④山形クリップ つまみの部分が山形になって、比較的大型のクリップ