官浪の文房具雑学~定規編~
定規の歴史は長さを測ることの歴史でもあります。日本へは、西アジアから中国大陸、朝鮮半島を経て「単位」が伝えられました。古代の建物址の柱穴の遺跡発掘により、紀元前一万二千年ころまでは、東アジアは共通の単位を使用していたことがわかっています。定規が一般に普及したのは、紙の普及に伴って近年広まったと考えられています。定規の意味として「物を裁断したり、線を引いたりするのにあてがって使う器具。」とあるように、かつては建築や裁縫をする際の製図用として使用されていたのが、後に文具として使い勝手の良いサイズになったのでしょう。「定規」は「ものさし」とも呼ばれていますが、厳密的に言えば「定規」は、定規の外形に筆記具やカッターをあてがって直線や曲線を引いたり、カットしたりする道具であり、目盛りが付いていなくても定規と呼ぶことができます。「ものさし」は、必ず端から目盛りがついているもので、物の長さを測る時に用いる道具です。「定規」の種類は多く。一般的な定規である直線定規、主に学校などで使用する直角三角形2枚セットの三角定規、製図に使う3つの面に異なる縮尺が刻まれた三角スケール、製図板の縁に頭を引っ掛け、滑らす事で水平線を引いたり、三角定規の案内に使うT型定規、曲線を描くのに用い、様々な曲線からなり、通常は数枚の定規がセットになって引きたい曲線に合った部分を選んで用いる雲形定規、円や四角、楕円、数字などが定規の面によって描けるテンプレート、曲線などを測るのに便利な自在定規などがあります。温度変化があっても伸縮が少なく正確に測れるステンレス定規は、建築関係の仕事に多く使用されています。ライオン事務器から発売のステンレス定規は、曲がった先端部を押すことで、取りにくい定規を簡単につまみ上げることができるということで、人気商品となっています。「定規」は地味な文房具ですが、ビジネスや勉強などの時に、なくてはならない文房具ですね。