官浪の文房具雑学~電子辞書編~

英語や受験勉強を始めた人をサポートしてくれる電子辞書。学生のみならずビジネスマンにも広がり、多くの人が利用しています。国産の電子辞書は、1979年にシャープが発売したポケット電訳機「IQ-3000」が原点といわれています。収録語数は英和が約2800語、和英が約5000語、画面は16桁×1行の液晶ドットマトリックス表示で、和訳はカタカナ表示でした。1981年にはカシオから電卓型で手帳サイズ厚さ8mmの「TR2000」が発売されました。1992年には紙の辞書を本格収録したIC電子辞書「TR-700」がセイコー電子工業(現セイコーインスツルメンツ)から発売され、IC化が進みました。この後は、メモリや液晶の低価格化が進むことによって、辞書の複数搭載や大型液晶化、そしてタッチパネル採用などによって機能が大幅に向上し、電子辞書の市場が大きく成長しました。2002年にシャープから業界初となるカラー液晶電子辞書「PW-C5000」が発売された。この頃から電子辞書の便利さが広く浸透し、国内市場の伸長とともに、海外向けの電子辞書も増加した。反面、簡易的なスタンダードタイプの電子辞書は衰退していくことになった。現在では、辞書や辞典、問題集なども収録し、カラーの液晶画面やタッチパネルを搭載したタイプが普通になってきています。搭載辞典の情報量でいえば、「広辞苑」(8,000円)、「ジーニアス英和辞典」(3,500円)、ジーニアス和英辞典(3,500円)を揃えれば一万五千円にもなり持ち運びも大変ですが、全て一台に搭載されている便利な電子辞書。しかし、販売は苦戦しています。スマートフォンの普及とそのアプリの充実により、12年前に比べて45%の大幅減となっています。そこで新たな需要を開拓するため、最近では目的別の学習プランを作成し、学習を管理する「トレジムプラン」を搭載したモデル「XD-G4800」や、分からない言葉の上をなぞるだけで意味を教えてくれる「ナゾル(シャープ)」などの新製品が発売され、話題を集めています。

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