官浪の文房具雑学~スケッチブック編~

スケッチブックとは、スケッチするための用紙を本のように束ねたもので、主に描画の用途で使用されるものです。学生時代に図画の授業で使った経験がある方も多いと思います。スケッチブックはレオナルド・ダ・ヴィンチが使ったのが起源とされていますが、定かではありません。発売当初は、背の部分を糊付けした画用紙が一枚一枚剥がせるタイプの「ドローイングブロック」が主流でしたが、1950年代に丸万商店(現マルマン)からリングで綴じるスパイラル製本のスケッチブックが発売されました。リング綴じ方式は、完全に折り返して、他のページが邪魔になることなく絵が描くのに不可欠です。「図案シリーズスケッチブック」と呼ばれているもので、濃い緑と黄色を大胆に塗り分けたデザインが印象的です。この表紙デザインはロゴマークなどの変更はあったものの、現在も変わらないデザインでロングセラー商品です。またマルマンの他にも人気があるのが「月光荘スケッチブック」。月光荘は1917年銀座に創業の老舗画材店です。シンプルな表紙に手触り感の抜群、サイズや紙質のバリエーションも豊富です。松下幸之助氏の依頼から生まれた「ウス点」は1Cm四方に薄い水色の点が印刷されていて、キレイに書けると好評です。スケッチブックのサイズは一般的にF4、F8など「F規格」で表記されています。このF規格は画材専門の規格で、Fのあとの数字が大きくなるほどサイズも大きくなります。日本ではA3、B4などのサイズ規格で販売されているものが多いです。スケッチブックは描画の用途以外にも、ホワイトボード代わりに使われたり、写真を貼ってフォトブックにしたり、とさまざまな用途で使用されています。放送の世界ではテレビ撮影の現場で「カンペ」として使用される場面を目にした方も多いと思います。普段あまり持つこともないかもしれませんが、思い立ったアイデアをまとめるためのツールとして持ち歩くのもいいかもしれませんね。

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