官浪の文房具雑学~地球儀編~

子どもの頃に買ってもらって、嬉しそうにクルクルとまわしていた記憶のある「地球儀」。地球儀は地球を球体によって表現した模型です。平面の地図では方位、角度、距離、面積などを同時に正確に示せませんが、地球儀は地球と同じ球体なのでそれらを正確に示すことができます。現存する最古の地球儀は、1492年にドイツのニュルンベルクでマルティン・ベハイムが製作したものらしいです。「エルダプフェル」と名付けられています。日本語での意味は「大地のリンゴ」とのことです。この地球儀ができた時は、まだアメリカ大陸が発見されていなかったため、アメリカ大陸は描かれていません。日本最初の地球儀は、1670年に天文学者の渋川春海氏が、地球儀を製作したとの記録があります。明治時代に入って学校教育が始まったことにより、地理教育の教材として用いられるようになりました。昭和の高度成長期以降は、家庭への普及も進み、学校教育現場でも多く使用されるようになりました。地球儀は大きく分けて「地勢」タイプと「行政」タイプの2種類があります。地勢タイプは、大陸を等高線で色分けし平野や山脈、高原など自然の地形が分かるように描かれています。一方の行政タイプは、国別に色分けされています。主な都市の名前も記載されています。国別に色分けされているので、面積の違いなども一目でわかるようになっています。また、茶系の行政型地球儀は、インテリア性を重視したアンティーク調の外観で、リビングやオフィスなどに飾る装飾品としても使用されています。近年では「しゃべる地球儀」などのAR(拡張現実)地球儀の開発も進み、糸井重里氏監修の「ほぼ日アースボール」も好評発売中です。この「ほぼ日アースボール」は、専用アプリでスマホやタブレットをかざすと世界のいろんな情報を見ることができます。地球の「今」を見ることができ、幅広く世界の勉強ができます。知り合いの先生曰く「子どもの時から地球儀に触れながら育つと、グローバル感覚を養うことができるので、できるだけ小さい頃に地球儀を持たせてほしい」と。大人になるとあまり縁がない地球儀ですが、久しぶりに触れてみたいと思いませんか?

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