官浪の文房具雑学~色鉛筆編~
新入学時に揃える文房具のひとつである色鉛筆。カラフルな12色や24色に心ときめいた思い出があります。普通の黒の鉛筆とは性質が異なることをご存知でしょうか? 鉛筆は黒煙と粘土を練り合わせ焼き固めて製造するもので、硬くて丈夫です。一方の色鉛筆は、顔料や染料に書き味を滑らかにするタルク、ロウそして糊などを混ぜて作られ、焼き固めていません。従って柔らかく強度も弱いです。成分が油性なので、芯の素材は紙の繊維に入り込むため、消しゴムでは消すことができません。六角形の鉛筆との違いは軸が丸型になっていることです。これは色鉛筆の芯が軟らかく折れやすいので、強度を保つために丸くしています。ただ最近は六角形の色鉛筆も販売されています。また、色鉛筆は絵画のためにも使われるので、さまざまな持ち方ができるように、丸くしているとも言えますね。世界初の色鉛筆は、1795年フランス人のニコラス・ジャック・コンテが硫黄の代わりに粘土を黒鉛と混ぜ、焼き固めて芯を作ることを発明。しかし、この時の色鉛筆は赤褐と白の2色だけ。多彩なものができたのは19世紀中頃以降、イギリスやドイツで顔料と粘土の配合加工で生まれたそうです。その後ファーバーカステルやステッドラー、そして日本では三菱鉛筆やトンボ鉛筆などから多彩な色鉛筆が発売されるようになりました。私は、コーリン色鉛筆の120色を使用しています。水彩絵具のように水で溶かすことの出来る水溶性の「水彩色鉛筆」も各社から発売されています。近年は、「大人の塗り絵」が流行し夢中になる人が続出しているようです。あなたも色鉛筆を手に持って、塗り絵を始めてみませんか?