官浪の文房具雑学~学習帳編~
学習帳とは、主に小学生や中学生が学習用に利用するノートのことで、「さんすう」や「こくご」などの教科別、学年別などが用意されています。現在はB5サイズが一般的ですが、以前はA5タイプもありました。その学習帳の歴史は不明ですが、明治40年頃に紙製品業者が「小学生ノート」を発売したという記録もあります。昭和20年代には佐野ノート(現:日本ノート)がよく売れていたそうです。昭和30年代に入り、表紙に学童や動物の絵が描かれたシンプルな学習帳が出始めてきました。そして、昭和40年代になると、表紙に写真が使われ始めました。その代表が、ショウワノートから昭和46年発売の「ジャポニカ学習帳」。小学館の「ジャポニカ百科事典」と提携して、中ページに学習百科を掲載した学習帳です。この頃の学習帳は20円でしたが、30円も高い50円で売り出し、表紙も金箔のロゴを押し、プレミアム級の学習帳の先駆けとなりました。一方、極東ノートは旺文社「ジュニアエポカ辞典」とタイアップして「ジュニアエポカ学習帳」を昭和53年に発売。また昭和47年には飛び出す絵本の万創が、「ブリタニカ学習帳」を発売するなど、百科事典と学習帳の提携が進みました。「ジャポニカ学習帳」といえば、蝶々や花の写真を思い出す人も多いと思います。昭和53年からは、昆虫写真家の山口進さんが撮り下ろす海外の珍しい昆虫や草花の写真を表紙に使った「世界特写シリーズ」がスタートしました。極東ノート(現:日本ノート) は昭和63年に「ムツゴロウの学習帳」を発売し、ヒットしましたが、その後平成14年に発売した「かんがえる学習帳」が現在の定番となっています。極東ノートは平成5年に倒産し、子会社のキョクトウ・アソシエイツに事業譲渡し、昨年アピカと統合して日本ノート㈱が誕生しました。「かんがえる学習帳」は現在、動物写真家の岩合光昭さんが撮影した写真を使用しています。日々学習帳も進化していますね。ノートを使用しない学校教育が来ないことを願っています。