官浪の文房具雑学~チョーク編~

チョークは、白墨の原料である「白亜」のことで、俗にいう石灰岩です。恐竜が生息していた1億4千万年前から6千4百万年前を白亜紀とよばれており、白亜はこの頃に形成された地層から産出されていました。イギリスでは、白亜で石などの固いものの上に線が引けるということで、かなり以前から知られていました。フランスでは、石膏の粉末を焼いて水に溶かし、型にはめて棒状に固めたものが生まれました。これが現在のチョークと呼ばれているものの元祖と思われています。明治34年、国産の石膏と製法による純国産チョークが完成。明治末期、色白墨が誕生。しかし、現在のものより質が悪く、色がついているのは表面のみで、中の芯の部分は白色のままでした。大正時代に入って白墨が本格的に授業に取り入れられ、各社が製造を開始しました。昭和12年、アメリカで使用された炭酸カルシウム製のチョークが日本理化学によって国際第一号として製造開始されました。現在のチョークの主成分となる原料は2種類あります。「炭酸カルシウム製」と「石膏カルシウム製」です。一昔前の学校のチョークといえば、石膏カルシウム製が多かったですね。最近では、ホタテの貝殻や卵の殻など本来不要な物を処理して精製でき、リサイクル面においても主流となっている「ダストレスチョーク」が多くの学校で採用されています。消した時に粉が飛び散りにくいなどの点で、チョークが環境への影響や使い勝手など様々な面において優れている部分が多く需要供給ともにこちらが増えています。ちなみに、鉱物から作る場合の粒子は粒状ですが、ホタテ殻を使用した場合の粒子は棒状になります。粒子が棒状の場合、粒状のものより粒子が重く、消した際の粉が飛散する時間が短くなります。その結果飛散範囲も広がりにくいということです。折れにくいということもこの粒子が棒状になっていることから言えます。 近年は少子化に加え、学校での電子ボードやホワイトボードの普及により、チョークの需要は減りつつあります。懐かしい学校でのチョークが姿を消す日も近いかもしれませんね。

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