官浪の文房具雑学~手帳編~

年末を迎え、来年用の手帳に買い替えた方も多いと思います。現代社会ではビジネスの必需品とも言える手帳ですが、その歴史は古く一般的に普及したのは、18世紀のイギリスが起源とされています。日本では、明治12年に大蔵省印刷局が懐中日記という手帳を職員向けに製造していたという記録が残っています。手帳には種類があり、綴じ手帳や能率手帳、システム手帳などが一般的です。「綴じ手帳」とは、あらかじめ製本された手帳のことです。綴じ手帳のメリットは、丈夫で扱いやすくコンパクトなので、ポケットにも入り携帯するには最適です。また、価格も安価なものが多く現在でも広く使用されています。「能率手帳」は、これまでの手帳がメモ程度だったところに、スケジュール管理機能を持たせた画期的な手帳として注目を集めました。これを開発したのは、日本能率協会ですが、1949年に「時間目盛入りビジネス手帳」として会員様へのお歳暮用として配布されたのが起源とされています。それが好評となり、1959年に個人向けとして発売されました。手帳の中身を自由に差し替えることができる手帳を「システム手帳」といいますが、これが考案されたのは第一次世界大戦のイギリスで、戦場のニーズに合ったもので「6穴バインダー手帳」として発売されました。このシステム手帳を世界的に普及したのは、イギリスのfILOFAX(ファイロファックス)社です。日本には1984年に上陸し、大ヒット商品となりました。また、最近では「ほぼ日手帳」というユニークな手帳が大人気になっています。考案者はコピーライターの糸井重里氏です。一日あたり1ページの構成となっていて、スケジュールやToDoリストなど自由に書き込みができるものです。「生活を楽しむ道具」として新感覚の手帳で若い女性を中心に愛され、爆発的なヒット商品となっています。最近は、電子手帳やスマホの普及で電子管理も増えましたが、自由に書き込みができ予定をパッと確認できる手帳はやはり必需品ですね。

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