官浪の文房具雑学~A4規格編~

コピー用紙やノート、ファイルなどの規格としてお馴染みとなっている「A4」や「B4」などの名称がありますが、なぜ2つの異なるサイズ規格が存在するのでしょうか? この「A判」と「B判」は全く違う出自を持った寸法なのです。「A判」は、19世紀にドイツの物理学者であるオズワルドによって発明されたサイズ規格です。縦横の長さの比率が1:√2で設計されているため、何回分割してもきれいな長方形になる比率で白銀比とよばれています。

A判の一番大きなサイズはA0判(1189mm×841mm)で、このA0判を4回半分に切ってできるのが、A4判(297mm×210mm)です。この「A判」規格は国際標準規格ISOにも採用されています。学生ノートなどでの標準となっているB5サイズ。この「B判」が生まれたのは、江戸時代に公用紙として利用されていた「美濃紙」のサイズ規格がこれにあたります。この「B判」も白銀比に基づいて設計され。日本固有の用紙規格です。明治時代までは行政文書規格として使用され、その後も日本国内では「B判」サイズの書類が主流となっていましたが、1993年に厚生労働省から「各省庁で使われるすべての行政文書の規格をA4とする」という指針が出され、それ以来A4用紙は、ビジネス文書の基本サイズとして取り扱われるようになりました。さて、このサイズの縦横比1:√2は、「白銀比」と呼ばれていますが、縦横比が1:√2だから、コピー機でA3からA4に縮小、A4からB4に拡大コピーが簡単にできるわけです。この「白銀比」は日本人古来の美しさと便利さを兼ねた比率とも言え、法隆寺の金堂や五重塔などもこの比率で建築されています。また、人気キャラクターの「ドラえもん」などもこの比率ですね。それに対して欧米では、人間にとって最も美しく感じる有名な比「黄金比」(1:約1.6)もあり、ピラミッドやミロのヴィーナスなどが有名です。クレジットカードや葉書などもほぼ黄金比と言えます。

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